MATT WERTH(ASPERA) Interview
2005/01/17
フィラデルフィア・インディーシーンの中でも精力的に活動を続ける、ドリームサイケポップバンドのアスペラ!バンドの核でもあるマット・ワースは毎日の生活が音楽漬けの現在24歳。アスペラだけでなくFILE-13のレーベルオーナーであったり、マザリンにベースでも参加しています。昔は激情系のハードコアバンドに居た彼は進化に進化を重ねてアスペラでは現在のUSサイケポップバンドの最高峰に立とうとしている。そんな彼の声です。
●日本での『SUGAR AND FEATHERED』の発売についてどう思いますか?
「信じられないくらい満足してるね。が日本で『SUGAR AND FEATHERED』新しい命を与えられるなんて。日本には、'Strange(妙)'に対する熱意が感じるよ。『SUGAR AND FEATHERED』よりStrange(妙)なものはないと思うけどね」
●ASPERAの起源は何ですか?なぜ、ASPERA AD ASTRAからASPERAだけに名前を変えたんですか?
「ASPERA AD ASTRAはジェームズ・ジョイスの「若者という芸術家の肖像」からの1行なんだ。適当に選んだけど、どっちかっていうと英語の表現よりラテン語訳の方がぴったりかな(ASPERA AD ASTRAについては--スターへの困難を通過したんだ)。僕たちの気ままな空間ロックの傾向を表す感じがして。AD ASTRAを『SUGAR AND FEATHERED』で取り除いたのは、前進した印なんだ。本当に、僕たちは遥かとおく僕たちの過去を超えた発展を成し遂げたと感じたんだ。少し風変わりで、非現実的に聞こえるけど、確かな命名だったと思ってるよ。」
●マットはFILE-13を運営してますが、ASPERAをFILE-13からリリースしないんですか?
「僕が芸術と仕事を分けているからだ。多くの人は"理想的な"自営業的なレーベルを探すけど、僕はその理論に現実性を見出せないんだ- ただでさえ会社を運営するって難しいのに。そこに自分のとても私的な一面を巻き込むと、ぎこちないものになってしまうはずだよ」
●共感を持ってるバンドは?どのバンドがお気に入りですか?
「難しいね。僕たち全員がこぞって好きと言えるのはたった3~4バンドだねVANGELIS, John Lennon, BORDS OF CANADA, OUTCAST。僕たちはわりと何でも聞くけど、ASPERAの音楽が何に影響されているかと聞けば、今言った4つだと思うよ。」
●ASPERAはサイケデリックバンドだと思われますか?それともポップバンドですか?
「本当の所どっちでもないね。だけど、敢えてひとつのジャンルににまとめられるなら、多分ポップの方だよ!もし僕たちのレコーディングから色んな奇怪な層を剥ぎ取ったら、ポップの要素をフルに顕わにできるよ」
●フィラデルフィアのミュージシャンは同時にいくつかのバンドでプレイしてますよね。あなたは今、他のバンドに参加してまいますか?
「僕たちそれぞれ、過去には他のフィラデルフィアのバンドで精力的に活動してたよ。AJはAsteroid #4でドラムをやってたし、ジャスティンは、AM/FMと少しスタジオワークをしたんだ。ドゥルーは、PA Muzzle Loaderというひどく不愉快なロックバンドでギターをやってる。僕は、Mazarinの初期2つのレコードでベースを弾いた。最終的に、ASPERAはいつも僕たちみんなの集合した優先権なんだ」
●フィラデルフィアのミュージックシーンは今盛り上がってると聴きますが。実際はどうですか?
「うん。フィラデルフィアはミュージシャンたちが共謀するかなりびっくるするような小さなコミュニティーだよ。明らかに音楽の最もエキサイティングな流れはNonresponseやDoubtful, tbtmo, Man VS Apeのようなエレクトロニカ/ヒップホップのレーベルから来てるんだ。でもバンドにもいいのがが居るよ。NEED NEW BODYやBRAD POND, RABBLE ROUSERSとか思い浮かぶね」
●アメリカツアー中にあった面白い出来事って何ですか?
「僕たちの最近のUSツアーなんだけど、初めて西海岸へ行ったんだ。オースティンから2日間のドライブで、テキサスからカリフォルニア州サンディエゴまで、この経験は僕たちバンドとして得た最も啓発的なもののひとつだね。あの30時数時間の間の天気、地理的環境、そしてムードも、すべてが正しく配置されてた。他の興味深い瞬間?オハイオ州トレドのジムのホットドッグのシェイク。狂気錯乱!」
●普段は何をしているの?レーベル運営がメインの仕事?
「FILE-13は僕のフルタイムの仕事。バンド活動、例えば作曲、レコーディング、ツアーする時間が作れるからいいんだ。僕は2度と人の下で働かないって、数年前に誓ったんだ。これらの期待に背かないように挑戦することはすごく満たされてるよ」
●あなたはJan Svankmajer(チェコの人形映画の監督)好きですか?あなた達の最近の作品『BIRDS FLY』は彼の『悦楽共犯者』から得られたものですよね!
「もちろん!メンバー全員が『アリス』と『ファースト』が好きなんだ。実は、『SUGAR AND FEATHERED』をレコーディングしている時に初めて『ファースト』を観たんだ。それはそれはレコーディングセッションの肴になったよ。」
●ASPERAを通して、あなたは何を人々に伝えようとしているんですか?
「僕たちがASPERAを通して何か一つのメッセージを伝えようとしているとは言えないかも。僕たちの音楽はとてもテーマ的で、各レーコードごとに進化するんだ。言うのは古臭い表現でもあるけど、僕たちはリスナー各自が僕たちの音楽から何か違ったものを得て欲しいんだ。僕たちの想像力を越える政治的要素を音楽に盛り込むにはちょっと僕たち自身が風変わり過ぎるからね。これで分かってもらえてる?」
●リラックスするときはいつですか?
「ライブで演奏してるときが多分一番リラックスしてると思う。カオスを待って不随したときの絶頂のあとは、全体的な幸福感へと開放されるね。リラクゼイションは、ドゥルーの屋根のデッキの上で安いビールを飲んで、夕日を見て、みんなとたわいもない話をするとき」
●ASPERAのアートワークはいつも特殊ですよね?誰が作っているんですか?
「僕たちはリリースのたびにいつも違ったアーティストに頼むんだ。僕たちが使ったアーチスト一人一人に面白い話があるんだ。いままで正気なアーチストと一緒にやったことはないと思うよ。彼らはみんな信じられないくらい折衷的で、野心家で、冷淡な人たちなんだ。でも、実際にアートと音楽を作るとき、全員同じ概念の波長にいるみたいなんだ。」
●あなたは昔WILIAM MARTYR 17っていう結構ハードなバンドに居たそうですが。そのバンドはどんなんだったんですか?他のメンバーは今、何をやっているんですか?
「ああ。WILIAM MARTYR 17は、僕の音楽が形成されたころに居たバンドだ。僕たちは15歳前後のとき(1992年)にバンドを始めたんだ。悲劇的にバンドはドラマーのクリスが車の事故死をして(1994年)終わったよ。すごい楽しかった。僕たちはパンクロックで抑えられないエネルギーに満ちていた。僕はあの経験を他の何とも換えられない」
●あなたが許せないことって何ですか?
「世間一般の薄っぺらさとそれが進歩に影響するとき。僕は本当にもうそれには我慢しきれないね」
●何歳ですか?誕生日はいつですか?
「僕がASPERAの中でいちばん若くて24歳。ジャスティンとドゥルーが同じで25歳。AJはいちばん年上で27歳」
●喜怒哀楽どの感情がいちばんAsperaの音楽にはありますか?
「楽しみだと思うけど。結果としては、幸福の種だね。僕たちみんなそんな感じ」
●メンバーのジャスティンは、メタルバンドに居たって本当ですか?
「確かに、Burgerthroatは正気じゃないスピードのメタルバンドだったよ。彼らはVenomやExodu,初期Anthraxからヒントを得てたね。AJがラップロックバンド(Urban Dance Squad)に居たことも言っておくべきだね。ドゥルーは、彼の高校のマーチングバンドでチューバを演奏してたよ」
●ASPERAの野望は?
「僕たちは音楽のマジックを作りたい。僕たちの行動一つ一つには、不明瞭な感覚があるんだ。それは、想像を引き立てるんだ。僕たちの音楽は、完全で抑制されない試聴のためのすべての期待を捨てることが出来る人に届くみたい。この有能な観衆が居る限り、僕たちは音楽を作り続けるよ。それは本当にブラスト(最高の楽しみ)なんだ」
●日本のファンにメッセージを!
「ASPERAのマジックを日本に広めることをとても楽しみにしてるよ」
(取材:新川拓哉 | 翻訳:川村富美子)
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