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releases shiner
info
interview
info / band profile
shiner   STIFFSLACK-SS03
バンド : [ SHINER ]
タイトル : [ THE EGG + 2]
価格 : [ 2,300円 / without tax ]
フォーマット : [ CD ]
12 SONGS + 日本盤ボーナストラック 2 SONGS
songlist
1. Truth About Cows
2. Surgery
3. Play Dead ♪
4. Top Of The World
5. Egg
6. Andalusia
7. Bells and Whistles
8. The Simple Truth
9. Spook The Herd
10. Pills
11. Stoned
12, Dirty Jazz *
13, I'll Leave Without You *
*bonus track for Japanese release only
release information
活動歴が10年にもなる、カンザスシティープライドを背負う誇るべき硬派ギターバンド=SHINER遂に4THアルバムをリリース。完璧な環境下で製作された極上の楽曲群は複雑に練り込まれ聴き手に問い掛ける。特に独特なツインギターの絡み、多彩な表現力を持つリズム隊、アレンの抜群な歌唱力は聴き所である。ジャパンリリースの為にレコーディングされたボーナストラック2曲も一切の手抜きが無い、しかも新境地改革が伺える名曲。FUGAZI以降のコアDCロックファンからNIRVANA, FOO FIGHTERS, RIVAL SCHOOLS辺りのポピュラリティーの兼ね備えたサウンドは数多くのミュージシャンからもリスペクトを受ける。プロデュースは職人=J・ロビンス。US/DESOTO盤とはジャケ違い。解説/歌詞/対訳付。
band profile
ふと気付けば今回リリースする事になったSHINER(シャイナー)を知って早くも7年にもなる。2−3年毎にリリースされるアルバムは確実に手に入れ、細かなシングル盤のリリースも逃さず入手し重聴し、自分で云うのもなんだが尋常ではないシャイナーのファンである、そんなシャイナーが自分のレーベルからリリースされるというのは夢の様な話であるが、ここは落ち着いてシャイナーのライナーノーツを書く事とする。
 シャイナーはアメリカのミズリー州の中に在るカンザス・シティーが活動の拠点である、ワシントンDCやニューヨーク、シカゴほど音楽で盛り上がってる訳でもないが、ここ最近ゲット・アップ・キッズ等の若手のバンドの目覚しい活躍で注目されている土地である。シャイナーはそれらの若い連中とは少し世代は上のバンドである(仲は良い)。日本ではあまり知られていないが90年代初期−中期のカンザス・シティーは数多くの素晴らしいバンドが産声を上げていた、モリー・マクガイア、シーズン・トゥ・リスク、ボーイズ・ライフ、ジャイアンツ・チェアー、ファイルラーそしてシャイナーと今でこそエモというキーワードでいくらでも群がれるが当時はそんなカテゴリーは当然無い。そう考えると当時のカンザス・シティーはとんでもなく勢いのあった土地だったのかもしれない。現在、上記で挙げたバンドの殆どは存在せず解散しているがシャイナーは今でも尚、一線上で活躍しているのはカンザス・シティーの誇りであり、こちらとしても嬉しい事である。’93年、シャイナーはDESOTOから7インチ『BROOKS』のリリースを経て同年初めてのアルバム『SPLAY』をシェラックのボブ・ウェストンをプロデュースに迎えてリリースした。シャイナーはジョーボックス(メンバーのキムがDESOTOを運営している)ともツアーしていたので、それが縁でDESOTOからのリリースに辿り着いたのであろう。初聴時に襲われた衝撃が未だ忘れられない。同時期にジョーボックスやシャダー・トゥ・シンク、ドライブ・ライク・ジェイフー、ガールズ・アゲインスト・ボーイズ、勿論フガジ等とも共鳴して相乗効果を生み、素晴らしい活躍/シーン形成をしていた事は偶然ではない。当時シャイナーは今とは違い3人編成で、なるほど正統派「ジョーボックス・フォロワー」と形容されるのも理解する(ジョーボックスも結成当初は3人編成−後4人編成となる、シャイナーのアレン・エプリーもジョーボックスの影響は公言している)が、不協和音で全体を覆い更にヘビーで屈折したグルーブ、で繊細を隠し持つギターフレーズ等はフォロワーでは収まり切らない彼等の楽曲の特長は既に際立って耳に残った。彼等はツアーも頻繁に行っている、参考までに一緒にツアーしたバンドを挙げるとジョーボックス、バーニング・エアーラインズ、ボーイズ・ライフ、フェアウェル・ベンド、ブレイド、サニー・デイ・リアル・エステイト、シー・クランプ、デス・キャブ・フォー・キューティー、プロミス・リング、バークマーケットなど数多くのバンドとツアーを共にしている、生粋のツアーバンドでありライブバンドでもある。続く2NDアルバム『LULA DIDINIA』をDESOTOとHIT IT!から2レーベル共同でリリースする(’97年)。前作の流れを含みながら音作りを丁寧に、曲そのもののダイナミズムは損なわない名作でファンの間では「幻の名盤」とされている・・・何故なら、その2レーベルの共同リリースは後、折り合いが悪くなって現在は廃盤扱いという残念な状態にあるからである、しかし再発がDESOTOから決定している。今作からベーシストで加入したポール・マリノウスキはプロデューサーとしてもクレジットされている、エンジニアとしても優れた手腕の持ち主だそうだ。3RDアルバムの『STARLESS』('00年)は彼らの最大の転機とも云える4ピースバンド=所謂ツインギター形態となる訳だが間に挟んだシングル『SEMPER FI』(DESOTOからの7インチ・リリース)との短いインターバルの間にオリジナルメンバーのティム・ドウ(Dr)が脱退、代わりに同郷のカンザス・バンドの雄=モリー・マグガイアの元メンバーのジェイソン・ジャーケンが加入、最初のサイドギターのジョエル・ハミルトンも早くも抜け、ポールも以前参加していたカンザスの屈折モダンヘビネスの先駆者的ギターバンド、あのSONY RECORDからアルバムもリリースしたシーズン・トゥ・リスクのジョシュ・ニュートンが加入してオールのレーベルのO&Oからリリースされた。これが凄い、アレンのソングライティングは当然の事、ツインギターが初の試みとは思えない程、当たり前に絡んで耳に食らい付いて来る。プロダクションも申し分無くセルフ・プロデュース(正確にはポールが仕切り)がバンドの本質を浮き彫りにさせた名盤である。この頃からようやく日本でも彼等の名前が知られるようになる(エモ・ムーブメントも浮上した時期でもあるのだが)。その後も精力的なツアーもこなし同時に曲作りも絶えず続けていた、そして今作『THE EGG』のリリースである。USリリースはDESOTOに戻ってのリリースでプロデュースはJ・ロビンス(今更彼の説明の必要は要らないと思うが元ジョーボックス〜現バーニング・エアーラインズのフロントマン、そしてプローデューサーマンとしても高い評価を受ける重要人物、彼が手掛けたアーチストは数え切れず)、前作ではミックス、エンジニアで貢献したジェイソン・リブモア(オール等の作品を手掛けている)、そしてメンバーのポールとで幾つかのセクションに分けられてレコーディングに挑んでいる。加え近作を傑作へ導いた要因は数多くある・・・毎作メンバーが変わる状況だったが今回は前作と同じメンバーによる固い信頼感を手に入れた事、素晴らしいプロデューサーの人選、メンバーのポール、ジョシュはエンジニアとしても同時に機能している事、前作の流れを踏襲しながらもサウンドはより自由度が増しバリエーションが豊かな楽曲群、そしてアレンの歌うメロディーの潤いは枯れ知らない・・・等の融合が『THE EGG』を聴いて湧き出る高揚感を生んでいるのである。更に『THE EGG』のレコーディング後に日本盤(STIFF SLACK)の為にレコーディングしてくれた2曲(メンバーのポールがプロデュース)は、更に彼等は進化している事が確認出来る、大胆にピアノ/キーボード/エレクトロなエレメントを取り入れた新境地的見解が伺える曲で驚くが、それがまた琴線に触れる名曲でもある。また次作への期待も高まる訳だが、それはまた2年か3年も後の事なので我慢する。ちなみにクールなジャケットワークは『LULA DIDINIA』から手掛けているアンディー・ミューラー(OHIO GIRL)というデザイナーによるもの、シャイナーの音を見事に具象化させる素晴らしい作品を提供してくれている、彼の作品群はホームページ(www.ohiogirl.com)にて展覧しているので是非チェックして頂きたい、一度は見た事がある作品に遭遇するのではないか?
 では、シャイナーの『THE EGG+2』をじっくり堪能してもらいましょう、決して数回聴いて終わらせないで下さい、聴く度に新しい発見がありますので、さもなくば後悔しますよ。

新川拓哉(SHINER / THE EGG+2ライナーより)